当たり馬券への論外の競馬課税。ハズレ馬券は必要経費にせよ(下)

前回は、「国税の常識知らず、競馬の当たり馬券への論外の課税」というタイトルで1.4億円の儲けに7億円の税をかけられた人の話をしたよね。

今回は、競馬への課税方法の矛盾そのものについて書いてみるよ。つまりハズレ馬券の購入費を「支出した金額」に含めないこと自体に、根本的な無理があると思うんだよ。

世の中には、勝った資金を含め一年に100万円ぐらいに投入する競馬のファンも少なくないと思うよ。そしてその人が年間で収支トントンだとすると、税務上はほぼ100万円の一時所得があったことになっちゃうんだ。

ただし一時所得には50万円の特別控除があるから、これを差し引いた50万円が課税所得となる。当然これは確定申告をして納税しなきゃならないわけだよ。

だけど事実上、一年を通じて勝った馬券の金額だけを合計して、それが特別控除の50万円を超えたら申告・納税義務が生じるなんて、誰も納得しないよ。
そもそも「税は常識に合致すべきもの」とされているんだ。だけどこの競馬課税は非常識そのもの。これがこの制度の欠陥の証拠だよ。

その点もあって、本当に利益を出した人を含め、競馬の所得を申告・納税してる人なんかほとんどいない。そして国税側もこうした実態は先刻承知だよ。そして彼らはこう言う。”この程度の課税漏れは、課税実務上弊害がないから目くじらは立てない。いわば「お目こぼし」である”。

そんなのおかしいよ。課税対象ならしっかり課税すべきであって、「お目こぼし」なんて恩着せがましい恣意的取り扱いなんてダメだね。だから「競馬収入から控除すべき「支出した金額」にはハズレ馬券を含む」と、取り扱いを変更すりゃいいんだよ。
その上で、本当にかなり儲けた人にはしっかり課税すりゃいいんだよ(2分の1課税だから、税額はそう大きくはならない)。

でもこうした不明朗な課税ぶりに関して、真面目な人は、競馬で当てた場合に税金を気にしてる人も結構いるんじゃないの。だって理屈の上では、収支トントン以下の人でさえ、「脱税」をやってることになっちゃうもんね。

イヤ実のところ、税務署は競馬の収入がまるで補足できていないと思うよ。だから「課税上弊害がない」なんて言ってごまかしてるんだよ。
でもどうせ課税できないんだったら、いっそのこと宝くじと同様に非課税にしちゃえばいいだよ。そしてその代わりに、25%とされる「テラ銭」をほんの少し引き上げ、それを税収に当てるんだね。

何てったって「非課税」と銘打ちゃ、競馬自体のイメージが明るくなるもんね。だから競馬の主催者側も、僅かなテラ銭アップぐらいは喜んでOKするんじゃないの。

逆に仮に税務署が「適正な課税」とか言って、競馬収入の補足になんかに励みだそうものなら、その暗いイメージで競馬業界がダメになっちゃうよ(ちなみに私は馬券を買ったことはありません)。

結局のところ、「お目こぼし」なんて不明朗極まる課税の運用を行いつつ、突然今回のような恣意的ともいうべき課税をやるなんて許されないね。おまけにその課税が常識から全く外れているんだ。

ここは国税当局は頭を冷やして、国民から支持されるような課税を行うことだね。