当局の不備をつくことに臆する必要はない

評価規定の評価では常識外の低額評価になるが・・・・・・/路線価設定洩れなどへの迎合は不要/申告書は観光地のラーメンか/依頼者は税理士の腕前を判断すべし

 評価規定の画一性は、評価額を不自然に低額にしてしまうこともあります。たとえば図表6-2のように、親族の所有地の奥に被相続人の土地がある場合です。ただし評価規定上は、周りの土地を無視しますからこの土地は無道路地となります。したがって評価額は不自然に低くなってしまいます。

図表6-2: 迎合評価事例:無道路地

名義が分かれてはいるものの、A地もB地も同じ親族の所有で、一体利用も可能です。ですから、形の上ではA地は無道路地でも、実質的にはそうではないと言えましょう。だからといって、この土地に無道路地の減額を行わないというのは迎合評価です。あくまでルール通りに評価すべきです。

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問題は現実にこれをどう評価するかです。むろん基本はルールどおり無道路地として評価すべきことになります。しかし実態に即して、2つの土地を一体で評価した場合の単価により評価するという考え方もあるでしょう。あるいは、蔭地割合による不整形地補正のみ適用し無道路地の減額は適用しないとする、いわば足して2で割ったような評価もありえます。

しかしやはり評価規定どおりに評価するのが筋です。既にみたように評価規定の画一性により不自然に高額評価になってしまうが山ほどあります。このような場合に「評価規定どおり」の評価を強制されている以上は、低額評価の場合も「評価規定どおり」にすべきだからです。
しかし税務署員の中には、「評価ルールはさておき、このような常識外の低額評価は許されない」などと否認してくる人がいるかもしれません。しかしその場合には、毅然としてこの理不尽な要求をはね返すべきです。

しかし評価に自信がなければこれをはね返す自信も出てきません。そこで「実態に即した」評価を行います。こうした迎合評価も不要高額評価をもたらします。

もうひとつ示しましょう。路線価図の中には新設道路等に関して、税務署のミスにより路線価の付け洩れをしているところが稀にあります。このような場合に、本来あるであろう路線価を独自に付けた上で、これを前提に評価する例が少なくありません。「敵失に乗じるのを潔しとしない」というわけなのでしょう。

しかし筆者にはこれも「迎合評価」しかみえません。理由は、建築基準法上の道路に該当しないため、本来路線価を付すべきでないものにも付されている場合があります。そして権威主義からなのか、この「誤り」を指摘しても当局は路線価をはずすことをしないからです。

この「迎合評価」は、一概には批判できない面があるかもしれません。しかし納税者のために許される範囲の低め評価を追求することが税理士の責務です。やはり迎合評価も不要高額評価のひとつというより他ありません。 評価規定の画一性は、評価額を不自然に低額にしてしまうこともあります。たとえば図表6-2のように、親族の所有地の奥に被相続人の土地がある場合です。ただし評価規定上は、周りの土地を無視しますからこの土地は無道路地となります。したがって評価額は不自然に低くなってしまいます。

問題は現実にこれをどう評価するかです。むろん基本はルールどおり無道路地として評価すべきことになります。しかし実態に即して、2つの土地を一体で評価した場合の単価により評価するという考え方もあるでしょう。あるいは、蔭地割合による不整形地補正のみ適用し無道路地の減額は適用しないとする、いわば足して2で割ったような評価もありえます。

しかしやはり評価規定どおりに評価するのが筋です。既にみたように評価規定の画一性により不自然に高額評価になってしまうが山ほどあります。このような場合に「評価規定どおり」の評価を強制されている以上は、低額評価の場合も「評価規定どおり」にすべきだからです。

しかし税務署員の中には、「評価ルールはさておき、このような常識外の低額評価は許されない」などと否認してくる人がいるかもしれません。しかしその場合には、毅然としてこの理不尽な要求をはね返すべきです。

しかし評価に自信がなければこれをはね返す自信も出てきません。そこで「実態に即した」評価を行います。こうした迎合評価も不要高額評価をもたらします。

もうひとつ示しましょう。路線価図の中には新設道路等に関して、税務署のミスにより路線価の付け洩れをしているところが稀にあります。このような場合に、本来あるであろう路線価を独自に付けた上で、これを前提に評価する例が少なくありません。「敵失に乗じるのを潔しとしない」というわけなのでしょう。

しかし筆者にはこれも「迎合評価」しかみえません。理由は、建築基準法上の道路に該当しないため、本来路線価を付すべきでないものにも付されている場合があります。そして権威主義からなのか、この「誤り」を指摘しても当局は路線価をはずすことをしないからです。

この「迎合評価」は、一概には批判できない面があるかもしれません。しかし納税者のために許される範囲の低め評価を追求することが税理士の責務です。やはり迎合評価も不要高額評価のひとつというより他ありません。