どちらも7割引きで評価する

後退前のセットバックは3割評価・後退完了後はゼロ/私道そのものを3割で評価する

セットバック

セットバックを要する部分の土地の評価は、7割引きの3割評価とされています。むろん敷地後退により道路と一体になったものはゼロ評価です。

セットバック部分の減額規定は、平成5年に7割評価(3割引き)という形で初めて規定されました(それ以前は評価減なし)。そしてその後平12年に現行の3割評価に改正されています。本来はゼロ評価すべきと思われますが、路線価評価の中ではよくできた規定といってよいのかもしれません。

私道

前章では、位置指定道路といった私道の時価もゼロであると述べました。しかし相続税評価では、奥の宅地を一人前に評価した上で私道部分を通常の土地の7割引き(3割評価)で評価します。実はそれとて平成11年からで、それ以前は4割引に止まっていました。
こうした理由を規定作成者は、「私道沿接地を1人が買い集めれば、私道が一般宅地に復帰する可能性があるから」といいます。しかし土地の細分化に必要だから、わざわざ私道を造成しているのです。いやはや、泣く子と地頭には勝てません。私道はゼロ評価すべきです。