遺産分割の知識(4)
遺産分割に工夫を
遺産分割は、基本的には相続人の意志に委ねるべきものです。しかし外的事情から「こう分割すべき」というものも少なくありません。
まず相続税法には、配偶者に対して「配偶者の税額軽減」という手厚い税の減額規定を設けています。すなわち配偶者が相続した法定相続分まで(または1億 6,000万円)に見合う税額は免除となるのです。同じく相続税法は、被相続人の住所地であれば240m2までの土地を8割減にする等の大特例も設けています。
これらの規定は、特定の遺産分割がなされることを条件としています。したがってまずは、これらの規定を生かす分割が出発点となりましょう。
土地の関しては、地形をなるべく悪化させない範囲で単独相続とすべきです。つまり兄弟の共有は、将来的に問題を残すので是非避けなければなりません。ただし親と子といった異世代との共有や、兄弟でも売却の話がまとまっているのであれば問題はありません。
ここで代償分割という便利な手法をお話しします。代償分割とは、ある相続人が特定の遺産を相続する代償(代わり)に、その相続人が有する固有資産(通常は金銭)を、他の相続人に支払うというものです。
たとえば、子二人が相続人である場合に、母の唯一の遺産である時価1億円の指輪をすべて妹が相続します。その代わりに、兄に対して妹が自己資産である 5,000万円の金銭を支払うという指輪の分割方法です。指輪を独り占めした「代償」に、妹が金銭を払うわけです。
一見これは、指輪の半分を兄が妹に売却したようにも思えます。しかし民法はこれは売買ではなく遺産分割の一種として定めています。であれば民法を土台として定められている税法は、当然にこの規定に従います。その結果5,000万円を取得したこの兄に譲渡税が課されることありません。
この代償分割の使い勝手はすばらしいものがあり、多くの面で利用されています。たとえば遺産分割に際して、地主の跡継ぎが既に家を出ている兄弟姉妹の5人に、たとえば1,000万円ずつ金銭を渡すことで話がまとまったとします。ただし金融資産は納税等で残っていません。であれば長男の固有資産(または長男の相続財産の売却代金)等でこれを支払うことにより解決させるわけです。
いずれにしても、遺産分割は工夫しだいです。やりようによっては、節税にも便利にもトラブル防止にもなるからです。
取り返せ!相続税
相続時の注意点から、知っておきたい節税手法、土地の時価評価のしくみ、そして税理士の選定方法まで徹底解説。
裁判所の大堕落
冤罪を続発させ役人のいいなりになる腐敗組織。
役所の腐敗や次々に起こる冤罪は、裁判所の劣化・堕落が原因だ!
はじめての不動産実務入門
不動産の見方、評価の仕方が面白く身につく!実例写真、オリジナルなグラフや図表、わかりやすい解説で理解度100%。
公示価格の破綻
実勢価格との乖離、「選定替え」という不自然な操作など、迷走を続けてきた「土地取引価格の指標」はついに破綻。
新・間違いだらけの土地評価
先入観念や誤解に支配されている不動産に関する一般の認識を是正。土地の評価方法、土地の時価等を解説。
新・嘆きの固定資産税物語
反響をよんだ前著から4年。この間の動きを加え、路線価の評価制度や税制について、新たに分析、批判を試みる。
新・怒りの路線価物語
固定資産税制度を痛烈に批判した「嘆きの固定資産税物語」に3年間の事態の進展を追加した最新版。
まちがいだらけの土地評価
自然体で地に足の着いた発想と考え方で、土地の評価方法、土地の時価等を解説。不動産の姿を冷静に見つめ直す。
相続のしくみ
- 相続税が課税されるしくみ
- 法定相続人と法定相続分
- 相続税の納税方法
- 相続税の計算方法(1)
- 相続税の計算方法(2)
- グラフで見る税額計算
- 累進課税にもっと強くなろう
- 是非知っておくべき特例など
- 相続における遺言書の役割
- 相続と成年後見制度
相続税対策
- 相続対策における基本的な考え方
- 不動産による節税(1)アパート建築とその落とし穴
- 不動産による節税(2)所有物件の整理や見直し
- 不動産以外の相続対策(1)計画的な生前贈与
- 不動産以外の相続対策(2)生命保険、死亡退職金など
相続発生後
- 申告における基本方針
- 遺産分割の知識(1)
- 遺産分割の知識(2)
- 遺産分割の知識(3)
- 遺産分割の知識(4)
- 実りある相続のために(1)
- 実りある相続のために(2)
- 恐怖の税務調査・実態と対応策
- 税務調査の決着
- 取り返せ!相続税-更正の請求と嘆願
土地の時価とは
- 土地の時価の基本的な考え方
- 時価評価の基本的な手順
- 面積を題材に考える
- 不動産評価をとりまくお寒い現状
- 時価を左右する個別的要因(1)面積
- 時価を左右する個別的要因(2)地形
- 時価を左右する個別的要因(3)接道義務
- 時価を左右する個別的要因(4)建ぺい率と容積率
- 時価を左右する個別的要因(5)借地権・底地
- 時価を左右する個別的要因(6)崖地・セットバック・私道・その他
相続税評価
- 路線価評価のしくみと問題点
- 不整形地補正率
- 間口狭小補正率
- 容積率
- 借地権・底地、および崖地
- セットバック・私道
- 騒音物件・忌み物件など
- 広大地・地主に朗報の新規定
- 広大地規定の問題点
- 広大地地主の節税対策
税理士の選択
By TwitterIcon.com




