不動産による節税(2)所有物件の整理や見直し
その他の不動産対策
今までは、土地有効利用に関して説明しました。しかし不動産を絡めた相続税対策は多種多様なものがあります。ここではその主なものを簡単に紹介しておきます。ただし対策に当たっては、財産の所有状況や家族の構成等の全体像を見据え、これに合わせて行いたいものです。
まずは底地の整理です。古くからの地主層の多くは、借地人に貸した土地(つまり底地)を数多く所有しています。この底地の地代はメチャ安く、売りに出しても買い手はいません。ところが相続税では、この実情を無視して高額評価をします。(参照)
したがって早めに借地人と交渉を開始し、借地を売却する等により整理することが大切です。
多くの所有地の中には、地形といった土地の条件が劣るため、「逆転評価」となった土地(実は底地もこの一種)もあります。こうした土地はなるべく事前に手放す必要がありましょう。ただし物納ができるのであれば物納したいところです(底地も同じ)。
土地の評価は、利用の単位となっている一画地ごとに行い、これを評価単位といいます。そして評価単位が変われば土地の評価条件はガラッと変わります。ですから評価単位を工夫することで、評価額を下げることも可能となります。
たとえば図表2-3Aです。このままであれば土地全体が高い路線価の適用を受けてしまいます。しかし図表2-3Bのように敷地の一部を駐車場にすれば、利用単位が2つとなり、奥の土地は低い路線価で評価されます(角地でもなくなります)。
図表2-3: 高路線価の影響を最小限にする方法

A地のような角地は、高いほうの路線価(この場合200)に低いほうの路線価(同・ 150)の5%程度を加算した単価が、この土地全体に適用されます。その一方、B地であれば、高い200の路線価が適用されるのは右側の駐車場部分のみとなります。左側の空地との境には、フェンス程度は設置しておきたいところです。
先ほど、賃貸に向いていない土地にアパートを建築すると、かなり節税効果はあるが大きな含み損が生じると説明しました。そこで「市場から含み損のない高利回り物件を購入する」という手法は効果的であると思います。
相続発生をにらんでこれを数年間所有していても、高利回りさえ確保されていれば値下がりリスクは少なく、またその間はけっこうな家賃も得られます。
なおバブル期には、相続開始直前の不動産取得にはいやらしい規定がありました。しかし今はもう廃止されていますから心配ありません。
相続開始が近づいてきたら、前章で述べた小規模宅地の特例について、適用要件をしっかり満たしているかどうかの確認もしておきたいものです。家族の状況によっては、適用できなくなってしまう場合もあるからです。
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