毎週金曜日の官邸前の反原発デモが続いてるね。だけど6月29日に参加者が車道を埋めた日の後は、警察ががぜん警備を強化したよ。参加者をとことん分断し、とにかく官邸前に多くの人を来させなくする。

「ここは通るな。あっちへ回ってくれ。ここからは進まないで」といった調子だよ。で、強引に参加者を狭い歩道に押し込めちゃう。これにほとんど全ての人が従っているんだ。

だけどこんな指示に従う必要はないんだよ。事実「何故だめなのか」と聞けば、「いやダメというわけではない。これはお願いだ」と言ってくる。だから「そんなお願いは拒否する」と言って、かなり強引に突破すれば向こうは諦めるんだ。少なくとも相手に手を出したりしない限りは逮捕される心配はないよ。

だから私は、規制があろうとなかろうと「行きたい」と思った所へはほぼどこへでも行くね。何回も来ているうちに、要領が分かってくるんだよ。
ちなみに前回の8月11日は、国会議事堂駅の改札前の警官の規制を突破して、官邸前のデモの先頭部分の国会議事堂側に行ったよ。そこは警官ばかりで少数の通行人しか通さない所だったけど、その議事堂の塀(柵)に腰を掛けたんだ。

するとあわてて何人もの警官が寄ってきて「何をしてるんですか。ここにいてもらっては困るんですが」と言う。こっちは「見りゃわかるだろう。疲れてるから休んでるんだよ。ここにいちゃ行けないのかい」。事実その日はゴルフの後で疲れていたんだ。「いやダメってわけではないんですが、ここは往来ですので」。「ダメじゃなきゃいいだろう」。「いや困るんです」。「こっちは困らないよ」。なんて調子で居座っちゃうんだ。

やがて偉そうなヤツも出てくる。でも先方は逮捕はしない方針らしいから、誰が来ようと平気。しばらく問答をやってるうちに向こうが諦める(連中は意外と根性がない)。
こうして余裕が出てくると、今度は道路の向こうの声に唱和して「再稼働反対」を叫び出してみた。何せ私の声はでかいんだ。

するとあわてて「デモに参加するのだったら、道路の向こうの人と一緒にやったらどうですか」なんて言ってきたよ。だから「大きなお世話」で追い返した。内心は冷や冷やだったけどね。これで安心してでかい声を出し続けた。警察は苦々しそうな顔をしてるだけ。面白いね。

疲れてくると、周りの警官に話しかける。「あんたら、我々が一般市民だってことは分かってるよね。でも今まで警察を信じてた多くの人が、あんた方がやってるデモへの妨害を見て、顔をこわばらせているじゃないか。市民を敵に回していいのかい。今後も警察にご協力を、なんてもう通らないよ」。これで少なからぬ警官が下を向いてしまう。

さらに若い警官に言う。「あなた方は、社会正義の実現を目指して警察に入ったんだよね。でもびっくり仰天。そこは裏金まみれの悪の巣窟だったんだ。私の言ってる意味は分かるよね。とはいえ確かに組織の命令には従わなくちゃならない。そして各種の洗脳教育も行われている。だけどあなたには良心を失ってほしくなんだよ。あなたの顔には「このデモへの過剰規制は疑問」って書いてあるもんね。頼りにしてるよ」。こんな話をけっこうすなおに聞いてくれるんだ。

私の得意技は、警官への「逆嫌がらせ」。
「あんた方機動隊には、今日の分の出動手当が出てるの知ってるかい。でもそんなものもらってないだろう。これがぜーんぶ裏金に回っちゃうんだよ。これで幹部が私腹を肥やすんだ。ところで市民が暴動を起こすはずがないのに、何でこんな多くの機動隊が出てるか分かるかい。むろん裏金に回す金を大きくしたいからだよ」。

こんな調子でやっていると、「あんたいろいろよく知ってるね」なんて言ってくる。先日は「あなたは警察関係者かい?」なんて聞かれちゃったよ。
「あのね。こんな話はそれなりの本にみんな載ってるの。私はそれを読んだだけ。知ってる人はみんな知ってる話なんだよ」。

最後に、逮捕されそうになった話をしておこう。
抗議の人とともに、警官ともみ合う形になったんだ。そしたら急に警察側が強引に押してきた。「危ないじゃないか。押すなよ」と強く抵抗していたら、周りの人は押されて一人孤立する形になってしまった。これはかなりヤバイと思ったね。

そうこうするうちに指揮者が「この人酔ってる」と叫ぶやいなや、警官がワッと私を取り押さえに来たんだ。そこで瞬時に体を振り払ってデモの人の方に逃げた。本当に怖かったよ。そしてその指揮者に向けて、「この野郎、俺を逮捕しようとしたな」って怒鳴ったら、先方は下卑た笑いをしていたね。

でも思うに、周りの警官が本気で逮捕にかかっていたら、彼らを振り切ることなんかできっこなかったよ。彼ら自身が「この逮捕はやめておいた方がいい」と思ったんだろうね。もっとも指揮者の方も、さほど本気じゃなかったのかもしれない。でもこっちは怖かった。しばらくは震えが止まらなかったよ。

ところで「お前は何でそこまでやるの?」って疑問に答えておきたいね。
一言でいえば「何を言っても市民は我々警察の指示に従順に従う、なんて思わせたくないから」だね。彼らのこうした思い上がりがエスカレートすると、この先何をやられるか分からないもんね。

ちなみに私は団塊の世代。だから大学の頃はずいぶん過激なデモが行われていたけど、私はいわゆる一般学生で、そうしたデモとは無縁の存在だったよ。むろん今日も右でも左でもありません。
まあ皆さん。また金曜日の夕方に官邸前に行きましょうや。