申告における基本方針

相続開始

「隠したい」

 資産家に相続が発生すると、相続税の申告・納税が必要となります。

 相続税の申告に当たっては、適正な申告をする(要するにズルをしない)ことと、税務調査の対象とされないという2点を基本方針とすべきと思います。

 前者はまあ当然のことといえましょう。しかし遺族からは、「この財産は載せたくないのだが......」という相談が出てくる場合もあります。たとえば「郵便局の人から、絶対大丈夫だといわれて作った預金」といった話です。

 気持ちは分かりますが、筆者は本心から「申告書に載せるべき」とお話しします。そんな500万円程度のものを隠しても、税額は多くて2百万の違いです。それだけで「やましい」思いを何年も持ち続けたり、税務調査の動向にびくびくします。

 金額がもっと大きいような場合には、それだけ発覚するリスクが増えます。発覚すれば本税の2~3割増しを持っていかれます。むろん脱税は犯罪です。払えないのならともかく、ここはきれいに払った方がすっきりすると思うからです。

 大部分の人は、説得を聞き入れてくれます。しかしごく一部の人は最後までがんばります。そのような場合は「今の話は聞かなかったことにします」として、これを受けます(この話は内緒)。ただし金額が大きい場合や、そうでなくとも悪質といった感じのするものは、依頼を謝絶します。自身の「身の安全」もありますが、それ以前にそうした仕事は不愉快だからです。

 二つめの基本方針は、「税務調査の対象とされないようにすること」です。となれば「調査に行ってみよう」という気を起こさせない申告書の作成に心がけることになります。

 税務署は将来の相続発生に向けて、多くの資料を収集・保存しています。過去の確定申告書や「財産・債務の明細書」等々。これらにより、「遺産がどれくらいあるはず」という目星を付けています。ですから資産家らしき人が死亡すると、半年後には税務署から相続税の申告書がドサッと送りつけられます。「ちゃんと把握していますよ」というわけです。

 ですから申告に際しては、当方も税務署員としての目で納税者を見ます。常識的にみて金融資産が少な過ぎると思うと、「まだあるでしょう。隠しては駄目ですよ」などと遠慮のないことを言います。特殊事情によって少ないのであれば、この特殊事情に関する説明書面を申告書に添付します。税務署員を納得させるのが税務調査回避の特効薬だからです。

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