もう末期的症状だね、警察は。ここまでやっちゃったら、一般の人まで警察の実態を知られちゃうよ。いいのかねー。
先日の深谷市議の選挙違反をめぐる、住民への強引な取り調べの件だよ。

ある市議が3,000円の会費制で28名の支持者を集めた会合につき、警察はこれを市議の一方的な饗応であると決めつけた。そこで会合の出席者を呼び出し、「会費は払っていなかったはず。白状しろ」と迫ったんだよね。選挙違反にしたかったんだろうね。

ほぼ全員に及ぶ参加者への事情聴取は、それぞれ6~7時間、人によっては夜の10時過ぎまで及ぶんだ。「払っていない」と言うまで、これを何日も続けるんだよね。
「あなただけ払っていないというのはおかしい」。「新聞に名前が載ってもいいのか」。「子供さんを呼んで事情を聴きましょうか」。「言うまで1ヶ月でも2ヶ月でもやる」。「言わないと帰れない」。「調書に判を押せば、あなたの罪はなかったことになる」。「おじいちゃんは悪い人、なんてお孫さんに言われたくないですね」…。

こうまでやられれば「払っていない」って言うより他なくなるよね。農作業の繁忙期だし、家には介護を要するお年寄りもいる。だからほぼ全員1~5日で「払っていない」に署名を余儀なくされたんだ。
でもよく数日間も頑張ったと思うよ。うち1人は12日間やられても、「払っていない」を通したんだって。本当にすごいね。

そして相談を受けた弁護士のもとに28人全員が集まり、県警に抗議することとしたんだ。「こんなひどいことはない。警察は本当のことを言えば聞いてくれると思っていたのに」などと憤ったんだよ。

だけど県警はマスコミの取材に対して「調書の任意性、信用性は適正だった」とコメント。さらには「否認しているから捜査はおしまい、というわけにはいかない」などと言うんだ。
この期に及んで(内心はともかく)、こうした取り調べは許されるとして、突っ走るみたいだね。まあ今までどおりやるしかないんだろうけど。

まず言えることは最初に記したとおり、「一般の人」にこんなミエミエのでっち上げをやっていいのかという点だよ。
一部の人はもうとっくに「警察のひどい実態」を承知している。しかしほとんどの「一般の人」は、まだ警察の公正さを信じているんだ。そうした人の多数を相手にしての脅迫的取り調べ。「こんなことをやっちゃまずいんじゃないか」という真っ当な判断ができなくなってるんだよね。

何よりすごいのは、「この取り調べは適正」を公言している点だね。お仲間のマスコミでさえ報道姿勢を見せているにもかかわらず、だよ。
この絵に描いたような「警察の常識は世間の非常識」が、彼らには分かっていないんだろうね。そこまで警察の感覚がずれてしまっているわけだよ。

警察のコメントには「取り調べの適否は、刑事法廷の場で議論されるべきこと」などというのもある。「素人は黙っていろ」というわけだよ。
だけど一般市民にはそんなの通用しないね。取り調べの適否の判断基準は「常識」だよ。いかに刑事法廷で裁判所が警察の味方をしても、一般市民の常識的判断には勝てないよ。だって権威だけが頼りの裁判所は、「八百長司法」の実態が世にばれちゃったら終わりなんだからね。

警察組織は昔はもっとうまくやっていたと思うよ。だからこそ彼らは今まで、一応世の中から信頼されていたんだ。だから(一部の人を除き)デタラメともいうべき「実態」は、そうは分からなかった。事実、今でも個人的にはいい人も少なくないもんね。

でも次回に思いっきり書くけど、警察組織は(他の役所とは桁違いに)私腹を肥やすための裏金にまみれているんだ。この裏金のために、警察の堕落がどんどん深まってきた。検挙率の大幅低下に見られるように、近年はどうしようもない状況になっているんだよ。
こうした警察組織の弛緩・堕落が、この脅迫的取り調べやその後の対応に象徴されているように思うんだよね。