やったー。細川護煕元総理がついに出馬だよ。こりゃあおもしろくなったぞ。何てったって小泉元首相の力強い援護があるもんね。

だけど細川さんは、原発の不正義を見せつけられ、やむにやまれない気持ちになったんだろうね。功成り名遂げての15年もの平穏な生活をうち捨てての出馬。この使命感・行動力には本当に感動するよ。がんばって欲しいね。

小泉さんは、この選挙を「原発ゼロでも日本は発展できると思うグループと、原発なくしては発展できないと思うグループの争い」と言うよね。
でもそんなもんじゃないと思うんだ。この選挙はズバリ、良識派と「我欲派」の全面戦争だと考えるね。

「我欲派」というのは、しがらみに身を委ねることによる自身の直接的な利益を追求する人達を指すよ。原子力ムラがその頂点だけど、電力マネーの暗躍によりマスコミを含めその裾野は驚くほど広いね。
一方良識派は、原発の実態を知った上で反原発を考える人だよ。

この割振りは大雑把にいって双方2割ずつ。残る6割の「優柔不断・無関心組」を両派が取りっこする選挙だと思うよ。まさに関ヶ原だね。

ところで良識派はもちろん「我欲派」のほとんども、本音では原発がダメであることは分かっていると思うよ。
電気は足りてるし、電気代もきちっと計算すれば原発の方がずっと高い。技術的にも危険だらけだし、最終処分場すらないというわけだよ。欲得抜きの本気で原発推進をいう人がいたら、その顔を見たいもんだね。

さて「我欲派」がどう構成されているかって話だけどね。原子力ムラは当然として、問題は毎年1000億円規模に上る巨額の電力マネーなんだ。東電らがこれを各界に巧妙にバラ巻くことにより、膨大な我欲派を人工的に作り上げてるんだ。

電力マネーの原資は電気料金。東電らの利益は総括現価方式により、経費の一定割合が保証されているんだ。むしろジャブジャブ経費を使った方が利益が上がるシステム。なにせ地域独占だから競争原理はまるで働かない。

電力会社は毎年、産業界で断トツの膨大な設備投資をするよ。連中はその際の発注額を相場の2割乗せにする。さらに5%ものキックバックを受けてこれを電力マネーの原資にする。それでも受注額の15%もの利益の上乗せだから、経済界は電力業界に頭が上がらなくなるよ。
ついでにいえば、産業向けの電気料金は低く抑えている。利益の源泉の9割は一般家庭だもんね。

まず電力マネーはきめ細かく政界にバラ巻かれる。だって自民党の議員がやたら原発推進議員連盟なんて組織に集まってるじゃないの。みんな電力会社に足を向けて寝られないほど、世話になってるからだよ。

マスコミ対策は迫力だね。新聞・テレビ業界のリーダー格は海外視察旅行に行ったりでどっぷり癒着。多大なCMは業界を潤す。
すごいのはメディアに出てくる評論家やコメンテーターの選別だよ。電事連らが常に彼らの発言をチェック。少しでも真っ当なことを言う評論家には、すぐ「外せ」と指示を飛ばす。だから出てるのは皆、彼らのお眼鏡にかなった連中だけなんだよ。

電力マネーは役所や各学会、原発立地地域その他あらゆる地域に多岐にわたっているんだ。下手をすると政・官・財・報・学の上層部のかなりの部分は、この原発マネーの存在を前提に成立しているんじゃないの。
だからこそ彼らはこうした癒着の構造を変えたがらない。原発の維持・推進策はそのための手段に過ぎないんだよ。

つまり彼らの本音の目的は、あくまで自身の利益の維持・推進にあるね。そしてそのためには、この国に致命的な原発事故のリスクを負わせてもかまわないというわけなんだよ。それどころか 「どうせ被害を受けるのは地方の田舎だろう」なんて考えすら透けて見えてくるね。

確かにこの国の上層部は腐っている連中が多い。だから平気で原発マネー等を受け入れるんだ。
そして彼らが作る組織(役所や会社)やその関連先等の膨大な一般構成員も、良心を麻痺させつつそうした発想に身を投げちゃう。そうした人達が「我欲派」を形成してるわけだよ。

しかし日本人は、いつからこんな情けない存在になったんだろう。他人を思いやるという「日本人の心」はどこへ行っちゃったのかしら。

細川さんは、きっとこの国の現状を憂えて黙っていられなかったんだろうと思う。
確かに原発の是非が争点だよ。でも真の争点は、「他人や環境を害しても自己の利益が図られさえすればよい」という考え方の是非だと思うね。

さて選挙は、残る6割の「優柔不断・無関心組」をどちらが引き込むかにかかってるよ。彼らは東電らの掌の上に乗るテレビのコメンテーターらの影響を強く受けるだろう。その一方、細川・小泉さんらの主張にも心を動かされるはずだね。

この選挙結果をきっかけに、多くの人が「日本人の心」を取り戻すようになるといいと思う。そのためにも細川さんにがんばって欲しいんだ。微力ながら私もがんばるつもりだよ。